シークを愛した罪

古い慣習に縛られた男性優位の国、スリヤム。
財務アナリストのミーガンは、その国の近代化プログラムを苦心して作成したが、女だからという理由で、土壇場で担当を外された。
スリヤムのシーク、カシム・アル・ラシドの意向だという。
ミーガンは激怒し、会議の席で食ってかかった。
「宇宙の帝王でいるのは、さぞいい気分でしょうね!」だが、シークは動じることなく、ミーガンを肩に担いで別室に運び、有無を言わせず唇を奪った。
服従を強いるキスなのに、あろうことかミーガンは陶酔して……。
「ぼくたちは、やり直すべきだ」突然現れた別居中の夫ジェレドの言葉に、テレーザはうろたえた。
わたしが家を出て一年半もたつというのに、いまさら会いに来て、そんなことを言いだすなんて!ふたりは出会ったとたん恋に落ち、三カ月後には挙式した。
しかし、幸せな結婚生活は長くは続かなかった。
夫には愛人がいたのだ。
こちらを見つめる彼の瞳にはまだ情熱が宿っているけれど、わたしはもうこれ以上傷つきたくない。
テレーザは彼から逃れようと、一歩あとずさった。
シェイ・カールソンはエリーの空港で王子を待っていた。
彼女が待つのは、ヨーロッパの小国アマールのタナー王子――シェイの親友で、王女であるパーカーの迷惑な婚約者だった。
パーカーに結婚と帰国の意志がないとシェイに告げられると、タナーはパーカーのもとへ連れていけと命じる。
案の定、パーカーはぴしゃりとタナーをはねつけた。
これで彼も引き下がってくれるだろう。
ところがタナーはあきらめなかったうえに、シェイの部屋に泊めろとまで言い出した。
洗脳を得意とする精神科医ドクター・ブルックス。
それが、FBI捜査官マライアの仮の姿だ。
彼女は組織の内部に潜入し、極秘に活動を続けてきた。
今回の任務はとくに慎重に進めなくてはならない。
だけど、敵も味方も同時に欺くなんて、私にできるかしら?マライアの治療室にジェイクが運びこまれてきた。
彼のブルーの瞳は、何かを企んでいるように輝いている。
この人は、なぜこんなに自信たっぷりなの?マライアは必死で雑念を振り払うと、注射針を彼の腕に突き刺した。
暴漢に襲われたケリーを救ったのは、ジョン・エドモンズと名乗るタキシード姿の紳士だった。
誠実な態度と熱いまなざしに、彼女は直感した。
彼こそ運命の男性――私がずっと待っていたナイト。
やがてケリーは非情な現実を知る。
兄の不審な死の調査のためフェニックス結社を訪れたところ、ジョンが結社の腕利きエージェントであり、任務でケリーを監視していたとわかったのだ。
甘い言葉も燃えるような口づけもすべて偽り……。
怒りと涙が込み上げ、彼女は絶句した。
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