奈緒子(5)

全国中学駅伝大会への選考会でアンカーの雄介は3分4秒の差をものともせず1位のすぐ後ろにまで追いつく。
しかし、体が重くなり抜くことができないでいる内に5mの差がついてしまう。
全国中学駅伝大会当日、波切島北中学の第一走者・本松キャプテンは、雄介から聞き出したアドバイスを守り、優勝候補で先頭を走る船橋第一学園中学に離されないよう、必死で食らいついていく。
全国中学駅伝大会、第3区は追い風の強い3kmのコースだ。
小笠原監督は故障がなく、風のある時・ない時のタイム差の少ない佐々木を抜擢した。
全国中学駅伝大会最終区。
心のままに走る雄介と、冷静さを失わない黒田。
320mの差を一気に詰めてきた雄介に、黒田は揺さぶりをかける。
しかし、父の言葉を思い出していた雄介は黒田の前へ出るのだった。
全国中学駅伝大会、最終区。
競技場で競り合う雄介と黒田。
肘で走れという小笠原監督の言葉通り、腕を引っ張りあげて走る雄介。
残り100m。
学校の仲間、陸上部員、母、兄、次々と雄介の胸に去来する人々。
ともに、一歩でも前へ出たいと必死で走る二人の差はまったくなく、どこが勝負の分かれ目なのか誰にもわからなくなっていた。
続きはこちらから⇒ttp://www.ebookjapan.jp/shop/book.asp?sku=60021584