とねっ娘(2)

祖父の変わりに馬の仲介商をすることになった沙羅は北海道に来ていた。
しかし、何件も牧場をまわり、何頭もの馬を見てきたが、なかなかいい馬を見つけられないでいた。
血統にこだわらずに、自分が気に入ったいい馬を見つけたいと沙羅は思っていたが、どの馬がいい馬なのかわからない。
あきらめて東京に帰ろうかと思っていたとき、沙羅の目の前に現れた馬は…ダイアナはドロをかぶることを極端に嫌い、走ることをやめてしまう。
大阪から来た大酒飲みの調教助手シゲはダイアナを勝てる馬へと調教することにした。
シゲはどんな調教をするのか。
そしてレース当日、ドロをかぶらないように大外からつっこんで2着を狙うおうという馬主の意見に従わず、シゲはインからせめて1着を狙おうとする。
沙羅たちのいる美浦トレーニングセンターに、シゲの昔なじみという老人が訪ねてきた。
沙羅は老人からシゲのジョッキー時代の話を聞いた。
ジョッキー時代のシゲは、ナタでぶった切るような走り方から、ナタシゲと呼ばれていて、現在は轟厩舎で調教助手をしている五郎とはライバル同士だったという。
しかし、ある事件から二人はほぼ同時期にジョッキーを辞めることになった。
その理由とは…タカラ・ジャイアントが札幌での新馬戦に出走できるように沙羅の調教にも気合いが入っていた。
そして札幌競馬も間近に迫った日、ジャイアントにジョッキーを乗せて走らせようとしたところ、ちっとも言うことを聞かず走ろうとしない。
ジャイアントは沙羅の言うことしか聞かなくなっていたのだ。
沙羅は困り果ててしまう。
札幌競馬開催中になんとしても新馬戦に出場させなくては、ジャイアントは地方に売られてしまう。
タカラ・ジャイアントは現在連敗中だ。
そんなとき、美浦トレーニングセンターで司法試験に挑戦しながら警備員をしている山本は、沙羅に惚れてしまう。
沙羅のことが気になって勉強が手につかない山本。
一方の沙羅はジャイアントを勝たせるための秘策を考えていた。
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